ランナーの膝痛とフォーム改善|股関節の使い方と故障予防のポイント
- パーソナルトレーナー澤田和崇
- 2018年9月10日
- 読了時間: 4分
更新日:6 日前
ランニングを楽しむ人にとって、膝の痛みは大きな悩みです。とくに「膝の前側(膝蓋骨まわり)」や「膝の内側・外側」に不調を抱える人は多く、その原因の多くが股関節の使い方の誤りにあります。
本記事では、膝痛の具体的な原因、正しいランニングフォーム、そしてそれを支える股関節の使い方、重要な筋力バランスについて詳しく解説します。
【1】膝痛の主な原因とフォームの崩れ
■ 股関節の使えていない走り方
股関節の伸展(後方への押し出し)が小さいと、以下のような問題が生じます:
上下動が大きくなる → 推進力が弱くなる
足首への負担が増える → 膝も痛みやすくなる
こういった状態では、身体の連動性が失われ、ランニング中の衝撃吸収能力も低下してしまいます。
■ 股関節が使えない2つの原因
柔軟性不足(股関節周辺の筋肉が硬い)
動かすイメージの欠如(膝主導で走っている)
【2】部位別:膝の痛みの要因とは?
■ 膝蓋骨(膝のお皿)まわりの痛み
大腿四頭筋の筋力・柔軟性不足
ジャンプ動作・つま先着地の多さ
着地時に上半身が後傾
骨盤の歪み、オーバートレーニング
これらは膝に直接的な負担を与え、前ももの緊張を高めてしまいます。
■ 膝の内側・外側の痛み
以下のような「不安定な着地」が主な原因です:
足裏のアーチ不足 → 指が使えず、接地が不安定に。
軸のブレ → 上半身・骨盤の揺れが着地衝撃を増加。
脚長差(脚の長さの違い) → 骨盤の歪みによって左右差が発生。
足首の柔軟性不足 → 滑らかな体重移動ができず負担集中。
【3】正しいフォームのポイント|骨盤と足の連動
■ 理想的な走り方
以下のようなフォームです:
骨盤が軽く前傾
後ろに蹴った足はつま先が自然に後方へ
股関節を中心に脚が前後に大きく振れる
軸がブレず、頭が上下動しない
【4】改善方法|動的ストレッチとケアが重要
股関節と膝の柔軟性を高め、正しいフォームを習得
次のようなアプローチが効果的です:
股関節まわりの動的ストレッチ(前後への脚振りなど)
体幹と骨盤を安定させるトレーニング
着地の意識トレーニング(足裏3点での接地感覚)
疲労度に応じたテーピングや休養
動的ストレッチ
【5】膝を守るために重要な3つの筋肉バランス
そして膝の痛みは、大腿四頭筋・臀筋・ハムストリングの柔軟性や筋力の低下が関係していることも多くあります。特に、膝のお皿まわりに違和感がある場合は以下の点に注意が必要です。
大腿四頭筋(前もも)
柔軟性が低下すると、膝蓋骨や靭帯にかかる負担が増加し、痛みが生じやすくなります。また、筋力が不足していると膝関節が不安定になり、衝撃吸収力も落ちてしまいます。
臀筋(お尻)やハムストリング(太もも裏)
機能が低下していると、着地や立ち上がりの動作が不安定になり、膝の内側・外側の両方に影響を与えることもあります。
💡対策
これら3つの筋肉をバランスよく鍛え、柔軟性を高めることが大切です。特にハムストリングのストレッチは、足を内側・外側に回した状態(内旋位・外旋位)でも行うと、より効果的に柔らかさが増し、膝への負担軽減につながります。

【6】まとめ
膝の不調や足首の負担は、股関節を上手く使えないことから始まっているケースが多いです。適切なフォームと身体づくりで、「楽しく長く走る」そんなランニングライフを手に入れましょう。
そして大腿四頭筋・臀筋・ハムストリングの柔軟性や筋力を向上させて、膝を護る身体作りをしていきましょう。
【よくある質問】
Q. 膝が痛くなってから改善できますか?
A. 多くの場合、フォーム修正や股関節の可動域改善、適切な筋力トレーニングで痛みは軽減します。ただし放置は禁物。早めの対処が大切です。
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