コルチゾールと筋トレの正しい関係|“分解”を味方にする設計術
- パーソナルトレーナー澤田和崇

- 2019年11月13日
- 読了時間: 3分
更新日:11月12日
はじめに
コルチゾールは“筋肉を分解する悪者”と思われがちですが、実はエネルギー供給と回復設計に不可欠なホルモンです。本記事では、NSCA認定トレーナーとしての知見をもとに、40–60代のボディメイクや健康増進に役立つ実務的な活用法まで整理します。
コルチゾールとは|要点だけ
分泌源:副腎皮質
主な作用:異化(タンパク質分解→糖新生)、炎症反応の調整、血糖維持
特徴:朝に高く夜に低い日内リズム/運動・心理的ストレスで一時的に上昇
筋線維との関係:特に速筋で異化が起こりやすい
ポイント
テストステロンやインスリンは「同化作用(筋肉をつくるはたらき)」を持っていますが、コルチゾールはそれとバランスを取る役割があります。
一時的上昇は運動中のエネルギー確保とリモデリング開始の合図。慢性的高止まりはパフォーマンス低下の要因。
「筋肉に悪い」は半分正解、半分誤解
短期:高強度トレーニング後の上昇は正常反応。回復プロセスを前進させます。
慢性:睡眠不足・心理ストレスが重なると高値が持続し、筋合成・免疫・気分に悪影響。
実務で役立つ“コルチゾール賢使い”チェックリスト
トレーニング設計
セッション時間:45–60分を目安に凝縮(注意力散漫な状態で長引かせない)
ボリューム:大筋群中心に週8–12ハードセット/部位(中上級者は調整)
インターバル:60–120秒(目的により可変)
種目順:複合関節(スクワット・ヒンジ・プレス・ロウ)→単関節
生活・回復
睡眠:就寝・起床を一定に(朝のピークを整える)
ストレス管理:軽い有酸素・呼吸法・入浴で自律神経を調整
カフェイン:夕方以降の過剰摂取は避ける(夜間の高止まり予防)
よくある誤解と是正
誤「コルチゾールは完全に下げるべき」正:運動時の一時的上昇は必要。“上げる場面を限定し、早く下げる”が正解。
誤「筋トレは長くやるほど効果的」正:質>量。長時間は高止まりを招きやすい。
当パーソナルジムのアプローチ
安全性:NSCA-CSCS/指導19年、累計3万回超のセッション設計実績
個別最適:年齢・既往・睡眠/仕事ストレスまで聞き取り、ホルモン環境に配慮した負荷設計
継続支援:「可動性→安定性→出力」の順で、無理なく段階的に強化
まとめ
コルチゾールは敵ではなく、使い方次第で成果を引き出す味方です。トレーニング時間の最適化、栄養・睡眠・ストレス管理を整えるだけで、体は期待以上に応えます。
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※本記事は一般的な情報提供です。体調不良や治療中の方は、医師の指導に従ってください。





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