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ランナーの膝痛とフォーム改善|股関節の使い方・筋力バランス・故障予防の実践ガイド

  • 執筆者の写真: パーソナルトレーナー澤田和崇
    パーソナルトレーナー澤田和崇
  • 2018年9月10日
  • 読了時間: 7分

更新日:11月21日

更新:2025年9月

※本記事は、過去に公開したランニングフォーム・膝痛対策の記事を統合・再編集した内容です。最新の知見と現場事例を反映し、見直しやすい構成に整えました。

要約

  • ランナーの膝痛は、“膝そのもの”よりも股関節の使い方(可動/主動)と筋力バランスの乱れが主要因になりがち。

  • 股関節主導のフォームに修正し、大腿四頭筋・臀筋・ハムストリングを適切に働かせると、膝への局所負担が下がりやすい。

  • 週2回・各10〜15分のミニドリル+動的ストレッチでも改善の糸口が作れる。

  • 着地を安定させるための「足裏・足首・骨盤」セルフケア

【1】膝痛の主因と“崩れ”のパターン

股関節が主動になっていない

  • 股関節伸展(後方への押し出し)が小さい → 上下動が増える/推進力が弱い/足首・膝に負担集中

  • 原因:①周辺の柔軟性不足 ②膝主導のイメージが強い

痛み部位別のよくある要因

  • 膝蓋骨周囲(前面):大腿四頭筋の柔軟性・筋力不足、上体後傾、つま先着地過多、過負荷

  • 内側・外側:接地の不安定(足部アーチ低下)、軸のブレ、骨盤アライメント不良、距離や質の急増

  • 不安定な着地

    1. 足裏のアーチ不足 → 指が使えず、接地が不安定に。

    2. 軸のブレ → 上半身・骨盤の揺れが着地衝撃を増加。

    3. 脚長差(脚の長さの違い) → 骨盤の歪みによって左右差が発生。

    4. 足首の柔軟性不足 → 滑らかな体重移動ができず負担集中。

  • 外側痛(腸脛靭帯炎 など):フォームの乱れ+臀筋の機能低下+オーバーユースの三重奏

    🔍 セルフチェックポイント

    • 走行中の姿勢・着地のバランス

    • 脚の並び方・左右差

    • お尻まわりの筋力や柔軟性

    • 走行距離や頻度の急増

    膝の外側の痛みは放置すると慢性化しやすく、運動習慣にも悪影響を及ぼします。早めの対応と身体全体の見直しが、快適なランニング継続に不可欠です。

【2】90秒セルフチェック

  1. 壁立ち:後頭部/背中/お尻/かかと接地。腰の隙間=手のひら1枚が目安。

  2. 片脚ヒンジ:骨盤が横へ流れないか。鏡で膝が内側に入らないか確認。

  3. 足部アーチ:片脚立ちで母趾球・小趾球・かかと(足裏3点)に均等荷重できるか。

→ 2つ以上で詰まる場合、股関節主導の再学習+足部の安定化から始めましょう。

【3】正しいフォームのコア|骨盤と足の連動

  • 骨盤:軽い前傾で推進方向へ

  • 股関節:後方への伸展(押し出し)を意識

  • 足:足裏3点で静かな接地(頭部の上下動は最小)

  • 上肢:肘後方への振りで骨盤の回旋と同調

目標は「静かな接地・大きな前進」。音が小さく、視線と頭が安定していれば良い方向です。

【4】改善方法|動的ストレッチとケアが重要

股関節と膝の柔軟性を高め、正しいフォームを習得

次のようなアプローチが効果的です:

  • 股関節まわりの動的ストレッチ(前後への脚振りなど)

  • 体幹と骨盤を安定させるトレーニング

  • 着地の意識トレーニング(足裏3点での接地感覚)

  • 疲労度に応じたテーピングや休養

    ダイナミックストレッチをするパーソナルトレーナー|旭川のパーソナルジム
    動的ストレッチ

【5】改善ドリル(週2回・各10〜15分/RPE3–5)

A|股関節主導の再学習

  1. 股関節外旋ストレッチ 30–45秒×左右

  2. ヒップヒンジ・ドリル 8–10回×2(背中フラット・お尻を後ろへ)

  3. ラテラルスクワット 6–8回×2(膝はつま先方向・体幹中立)

B|肩甲帯&体幹の同調

  1. 胸椎回旋ストレッチ 30秒×左右

  2. ウォール・スライド 8–10回×2(肘・手を壁から離さない範囲)

  3. カーフレイズ 12–15回×2(母趾球意識で足部アーチ活性)

RPE(主観的運動強度):会話が可能(4–5)を基本。暑熱・疲労時は1段階下げるのが継続のコツ

【6】膝を守る3筋バランス

  • 大腿四頭筋:柔軟性低下→膝蓋骨周囲に負担増。前ももストレッチで張り感軽減。

  • 臀筋群:股関節伸展の主役。中臀筋の機能低下は骨盤ブレ→外側痛を誘発。

  • ハムストリング内旋位/外旋位でもストレッチし、線維方向の差を埋める。

処方メモ:四頭筋ストレッチ30秒→ハム外旋30秒→ハム内旋30秒→中臀筋アクティベーション(サイドステップ等)で「伸ばす→使う」流れを作る。

ハムストリングをストレッチしているパーソナルトレーナー
ハムストリングのストレッチ(内旋)

【7】ランナーFAQ

Q. 痛くなってからでも改善できますか?

A. 多くはフォーム修正+可動性回復+段階的負荷で軽減。痛み・腫れ・しびれ時は中断・受診を優先。

Q. 週1でも意味はありますか?

A. あります。RPE管理で“やり過ぎない”ことが回復・定着を早めます。

Q. シューズやテーピングは?

A. 足部アーチを補助する選択は有効。テーピングは痛み軽減と意識付けに用い、根本はフォームで解決します。

【8】まとめ

膝の不調や足首の負担は、股関節を上手く使えないことから始まっているケースが多いです。適切なフォームと身体づくりで、「楽しく長く走る」そんなランニングライフを手に入れましょう。

そして大腿四頭筋・臀筋・ハムストリングの柔軟性や筋力を向上させて、膝を護る身体作りをしていきましょう。

【9】着地を安定させるための「足裏・足首・骨盤」セルフケア

ふくらはぎと足首の柔軟性がつくる安定した一歩

ランニングや早歩きの着地を安定させるためには、ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)と足首の柔軟性が欠かせません。ここが硬くなると、体重が土踏まずにかかり過ぎてアーチがつぶれ、足裏やひざ・腰への負担が増えてしまいます。膝を伸ばしたストレッチ(腓腹筋)、膝を軽く曲げたストレッチ(ヒラメ筋)をそれぞれ行い、15秒ずつ交互にキープするルーティンをつくると、着地時の衝撃も和らぎやすくなります。

足底筋膜リリースで「地面をつかむ足裏」に

足裏には縦アーチ・横アーチがあり、本来は着地のクッションとバランス調整を担っています。テニスボールやマッサージボールを床に置き、土踏まずの下にあてて前後にコロコロ転がす「足底筋膜リリース」を行うことで、足裏の感覚が目覚め、歩きやすさを実感される方が多くいらっしゃいます。片足30秒〜1分を目安に、痛気持ちいい範囲で継続することがポイントです。

タオルギャザーで足裏アーチを

補強アーチそのものを保つためには、足指をしっかり使うトレーニングも効果的です。床にタオルを敷き、足指5本でたぐり寄せる「タオルギャザー」は、自宅でも取り組みやすい足裏トレーニングです。均等に5本の指を使いながら端まで寄せる動きを数回繰り返すことで、「床をつかむ足」が育っていきます。

骨盤まわりを整えて軸ブレを減らす

骨盤にゆがみがあると、左右の脚の長さに差が出たり、ランニング時の軸ブレにつながり、着地が不安定になります。体側・大腿筋膜張筋・内転筋群などをバランスよくストレッチしておくことで、骨盤がニュートラルな位置に戻りやすくなり、脚の運びやフォームも安定しやすくなります。

片脚立ちトレーニングで体幹とバランスを底上げ

足裏・足首・骨盤のケアに加えて、「片脚立ち」で体幹の感覚を高めることも、着地の安定には有効です。足裏全体で床をとらえながら片脚で立つことで、お腹やお尻の筋肉が自然に働き、姿勢が整いやすくなります。私のジムでも、年代を問わず多くのお客様に取り入れており、継続することで片脚1分以上静止できるようになったケースもあります。

こうしたセルフケアとシンプルなトレーニングを組み合わせることで、「ふくらはぎ・足裏・骨盤」が三位一体で機能し、ランニングやウォーキングの着地が安定していきます。日々のルーティンに少しずつ取り入れてみてください。

【10】関連資格

ウォーキングトレーナー資格取得による高齢者サポートの強化

私はMFA認定ウォーキングトレーナー資格を取得し、高齢者や身体機能が低下し始めた方へのサポート力をさらに高めました。歩行姿勢や足の着き方、筋力バランスの調整など、安全かつ効果的に「快適に歩く」ための専門的な指導が可能となり、多くのお客様から「歩くのがつらくなくなった」「つまずきにくくなった」といった嬉しい声もいただいています。日々の学びや現場での気づきを指導に活かしながら、これからも高齢者の膝や足の健康を守り、安心して運動を続けられるサポートを追求していきます。

ハムストリングをストレッチする女性ランナー
ストレッチ

【11】指導者プロフィール

澤田 和崇 NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(CSCS)。企業・自治体・学校、一般〜アスリートまでのべ3万回の運動指導。理念は「安全・効果・継続」。自治体健康教室・講演・少人数制レッスンの現場知をベースに、ランナーのフォーム改善と再発予防を支援。

【12】関連リンク

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